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カテゴリー ちょこっと会計講座

合併の登録免許税

前回(登録免許税の根拠)の続きですが、また小林自動車に話を戻しますね(・∀・)ノ

 1期目を終え、資本準備金、利益剰余金を資本に組み入れた小林自動車が他社(A会社)を合併することになりました。

 まずは合併されるA会社のB/Sです。

〇合併されるA会社のB/S

貸借対照表

 

 ややこしいので単純なB/Sにしときます

 要は3000万円現金出資して設立されたけど特にまだなにもやっていない会社です。

 小林自動車のB/Sも再度アップしておきますね(。・ω・)ノ゙

〇小林自動車のB/S

貸借対照表

この小林自動車がA会社を吸収合併すると小林自動車のB/Sはこのように変化します。

(/ ̄△ ̄)/ヘーン( ̄_ ̄)シン!( ̄△ ̄)/トォー!!


〇小林自動車の合併後のB/S

貸借対照表

 難しい話のようにも思えますが、実は単純な話です。

 現預金が3000万円増えて資本金もその分3000万円増加しました。これって募集株式の発行とかで増資するときと貸借対照表の変化が同じなんですね。

 そしてこのときに合併の登記をするわけですが、資本が増加してるので増加した資本金の1000分の7(21万円)かと思いきやそうじゃないんですね。

 1000分の1.5(4万5千円)でいいんです。

なぜか?

 ここで登録免許税の課税の趣旨をもう一度思い出してみてください

 会社は増加する資本金を登記簿に載せることによって信用が増大するという利益を得れるからこそ、それに見合った税金を払わないといけないんですよね。

 この点、合併の場合も吸収合併存続会社(小林自動車)の資本金はアップするので信用が増加しています。

 しかしこの影に隠れてあまり目立たないんですが、実は吸収合併消滅会社(A会社)の資本金はゼロになるんです(会社が消滅するため)

 つまり小林自動車の信用が増大するのと引換えにA会社の信用はなくなってるんです(比喩的に言えば)

 A会社は自分が設立登記をするときに3000万円の資本金に対する1000分の7(21万円)の登録免許税をちゃんと払っています。

 ちゃんとA会社が代わりに納めてくれた資本の分をそのまま引き継いだ小林自動車が再度1000分の7を納める必要があるとするならば3000万円の部分に関しては登録免許税の実質的な2重払いとなり租税の公平という観点から問題があります。

 だから合併において1000分の7の登録免許税は取りすぎなんです。

 しかしかとはいっても小林自動車とA会社は理論的には別会社です。

 またA会社が出資して得た信用も小林自動車が引きつけばそれは小林自動車のもとで新たな信用を得たともいえます。

 そこで普通の増資と異なり、合併の場合も既に誰かが税金払ってくれていたとしても気持ち程度は税金払ってくださいねというのが1000分の1.5という僅少な税率の趣旨です。

 もっとも上記は原則論です。

 合併の場合でも登録免許税が1000分の7発生するケースがあります(;´Д`)

 それは上記の例で言えば3000万円を超えて増資されるような場合です。

 例えば合併に伴い、5000万円増資したならば

 3000万円の部分は1000分の1.5の税率なので、4万5,000円。

 2000万円の部分は1000分の7の税率なので14万円にもなります。

 これはなぜかという事に関してはまたちょっとややこしい話が出てきますので次回に回しますね!

 ではでは see you!!

合併、分割と交換における登録免許税の比較