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カテゴリー 不動産登記法

数次相続の考え方

 いよいよ司法学院の答練が始まりました(o°▽°)o去年の本試験以来、久々に書式書いたんですが、やはりスピード感、知識ともに鈍ってますね~こっからあと半年、右肩上がりで成績を上げていかねば
(^^;)ゞ

 さて、その司法学院の答練で出たネタなんですが、 「数次相続」を今日は取り上げたいと思います!

〇 事例1(所有権移転登記・中間が単独相続の場合)

 例えば、所有権者として甲区1番に登記されている甲が平成15年2月10日に死亡して乙が相続した。

 しかし乙への相続登記の前に乙も平成20年5月10日に死亡して乙が丙を相続した。

 この場合は中間の乙が単独相続なので、ダイレクトに甲から丙へと相続登記をする事ができます。

「みき」となる考え方は

「中間の相続が単独相続か否か」

です。

 他の相続人もいたが放棄等の事情により、結果的に中間が単独相続になった場合も同様に直接現在の相続人への相続登記が可能です。

 例えば、上記事例で乙の他に丁も甲を相続していたが、丁は相続の放棄をしていたような場合。

 結果的に中間の乙は単独相続になるので、甲から丙へダイレクトに相続登記ができます。

申請書の一部を示すと以下のようになります。

    登記の目的 所有権移転登記

    原因 平成15年2月10日乙相続、平成20年5月10日相続

    申請人 相続人(被相続人甲)

                 丙


 原因が特殊ですね。

 最終相続人へのダイレクト登記だけど、ちゃんと中間もあるんだよという事は示す必要があるので、原因を2つ並べます。

 このとき最終の相続人である丙目線で原因の書き方を構成すると考えれば覚え易いかも。

 つまり乙から丙を「主」と考えて、甲から乙を「従」と考える。

「主」である乙から丙への原因は通常の相続登記の原因と同じ書き方。

 そして、「従」である甲から乙の部分はメインではないので、誰への相続か申請人の欄から判断しがたく、「乙相続」のように誰が相続をしたのかを念押しで書くと。

 あくまで覚えるときの僕のイメージです。もちろんどっちの相続が「主」で、どっちが「従」という実体上の関係があるわけではありません。

〇 事例2(所有権移転登記・中間が単独相続じゃない場合)

 例えば、所有権者として甲区1番に登記されている甲が平成15年2月10日に死亡して、乙、丙が相続した。

 更に相続登記をする前に乙が平成20年5月10日に死亡して、丁が相続した。

 このような事例の場合、中間の乙、丙は単独相続ではないので、一度、乙、丙に相続登記をした上で、乙から丁への乙持分全部移転登記をする必要があります。

 中間が乙のみの単独相続ではないからです。

申請書の一部を示すと以下のようになります。

    1件目

    登記の目的 所有権移転登記

    原因 平成15年2月10日相続

    申請人 相続人(被相続人甲)

              持分2分の1 乙
                 2分の1 丙


    2件目

    登記の目的 乙持分全部移転

    原因 平成20年5月10日相続

    申請人 相続人(被相続人乙)

              持分2分の1 丁


ダイレクト登記ができないので、原則どおり2件に登記をわけるだけですね

〇 事例3(所有権保存登記・中間が単独相続の場合)

 事例1と同じ事例を使います。

 ただし、甲が所有権者として甲区に登記されたているわけではなく、単に表示の登記のみしていたという事例。

 そのため、所有権移転登記ではなく所有権保存登記が問題になります。

 事例1と同じく、乙をすっ飛ばして、ダイレクトに丙による所有権保存登記が可能です。ただし、申請人の書き方がちょっと変わります(もちろん目的や原因も)

申請書の一部を示すと以下のようになります。

    登記の目的 所有権保存登記

    原因 なし

    申請人 所有者(被相続人甲)
              (上記相続人亡乙)

                 丙


 特殊性は所有権保存登記なので、原因の記載が不要なこと。

 そのかわりといっちゃなんですが、ちゃんと中間があるということをどっかに示す必要があります。

 そのため「上記相続人亡乙」といった具合で中間者を申請人の欄で示す。

 ここが、中間者を原因の欄で示している所有権移転登記(事例1)との違いですね。

〇 事例4(所有権保存登記・中間が単独相続じゃない場合)

 事例2と同じ事例を使います。

 但し、甲が所有権者として甲区に登記されたているわけではなく、単に表示の登記のみしていたという事例。

 そのため、所有権移転登記ではなくやはり所有権保存登記が問題になります。

 ここが思いっきり特殊なんですが、中間が単独相続でないにも関わらず、ダイレクトに現在の相続人である丙と丁への所有権保存登記ができます。

 理由は所有権保存登記の場合、申請書に登記原因を記載しないから、このようなすっ飛ばし登記が可能というわけです。

申請書の一部を示すと以下のようになります。

    登記の目的 所有権保存登記

    原因 なし

    申請人 所有者(被相続人甲)

              持分2分の1 丙

              (被相続人甲)
              (上記相続人亡乙)

                 2分の1 丁

1番書き方がややこしいですね。

書き方としては

    所有者(被相続人甲)

          持分2分の1 亡乙
             2分の1  丙

         (被相続人乙)
              
             2分の1 丁


のように被相続人甲をくくるやり方もありえたかと思います。

 しかし、ここは最終相続人目線で書いているんですね。

 最終相続人である丙と丁がどういう過程をたどって最終的に権利を取得したか。そういう視点で記載されているんだという感覚で覚えれば、記憶として若干定着し易くなるのではないでしょうか。

 以上、4点まとめましたが、ここは書式の雛形を覚えるのにかなり苦労するところなので、前々からまとめる必要があるなーと思ってたんです。

 まとめ方をいろいろあるところだとは思いますがぜひぜひ参考にしてみてくださいね~!!