皆さまごぶさたしております。3年半ぶりの更新です。。
近況ですが、この2年ほどロースクールに通っていました。ブログ更新しなきゃといつも思っていたのですが、なんかバタバタしているうちにだいぶ間があいてしまいました(^ ^;)ゞ
また定期的に更新していきたいと思っていますので今後ともよろしくお願いします!
さて、今日は共有者の住所・氏名変更登記における「変更後の事項」の書き方をブログにしたいと思います。
実務的にあるのはたとえばご夫婦で不動産を共有名義にしていたが、離婚する事で一方の単有名義にするような場合です。
1、まず基本の単有名義の住所変更登記は以下のように書きます。
所有権者は「中原桜子(さくらこ)」さんで
中原桜子さんの元の住所→大阪市北区茶屋町2丁目〇番△号
新しい住所→大阪市中央区平野町1丁目〇番△号
とします。
2、次に、「中原欧介」さんと、「桜子」さんご夫婦が共有名義の登記をしていましたが、数学ばかり研究している欧介さんにあいそをつかした桜子さんが、いい関係になっていた医者の東十条司さんの住所に引っ越してしまった場合です。
中原桜子さんの元の住所→大阪市北区茶屋町2丁目〇番△号
東十条さんの住所→大阪市都島区友渕町1丁目〇番△号
とします。
この場合は
となります。
1、と異なるのは、共有者のうちの誰の住所を変更するのかを変更後の事項の中で「共有者誰々の住所」という形で明確にする必要があるという事です。
3、それでは、「桜子」さんが別居だけでなく、「欧介」さんと離婚をして旧姓に戻ったうえで、東十条さんのもとへ引っ越した場合はどうなるでしょうか(ただし、東十条さんと再婚はしてません。)
中原桜子さんの元の住所→大阪市北区茶屋町2丁目〇番△号
東十条さんの住所→大阪市都島区友渕町1丁目〇番△号
中原桜子さんの新しい氏名→神野桜子
となります。
ここで、気をつける点は最初の、「共有者中原桜子の~」という部分は、旧姓の方を記載するという事です。なぜなら、登記されているのは旧姓なので、ここに離婚後の姓を書くと登記されている情報と申請書の情報で連結が取れず、共有者の誰の住所が変更されたのかについて登記官が判断できないからです。
まー実際は名前まで変更されるわけではないのでここに、「共有者神野桜子の~」と新しい姓を書いてもどの共有者の氏名を変更するのかはわかると思いますが、ここは形式的に判断すべきです。
なぜなら、共有者のなかには同じ名(小林桜子とか)の人がいるという事もありえるので、そういう場合にはやはり登記上の氏を記載しないと、どの共有者の氏名(中原桜子か小林桜子か)を「神野桜子」に変更するのか登記官が困りますからね。
こうやって見ていくと、登記申請書に書く登記事項というのはある法則によって成り立っているのがわかります。
それは、登記する登記官を迷わせないこと、そのために必要な情報は必ず書かなければならない一方、不要な情報は一切書かないというルールです。
単有の住所変更の時に、「中原桜子の住所」と書かずに、「住所」とだけ書くのは、「中原桜子」の部分が不要な情報だからです。
そんな事を書かなくても登記上所有権者のボックスの中に入っているのは、「中原桜子」だけなので、氏名まで丁寧に書かなくても誰の住所を変更するのか登記官から一目瞭然です。
これに対して共有者の住所や氏名の変更登記は誰の住所や氏名を変更するのか明確にしないと登記官から見てわかりません。
そのため、「中原桜子の住所」「中原桜子の氏名」のように最初にしっかり記載して登記官にわかるように情報を伝えてあげる必要があります。
この他の登記申請に書く情報もすべて登記する登記官の立場から見てこの情報で足りるか、これは過剰な情報でないかとか意識してみると登記事項の記載のちょいミスがなくなっていくと思いますよ[壁]ー^)ノ
※文中の登場人物は僕の好きなドラマ「やまとなでしこ」に出てくる皆さまです。