前回(貸借対照表とは?)の続きで今日は「損益計算書」(P/Lともいいます)を紹介したいと思います(・_☆)
「損益計算書」も貸借対照表と同じく作成が義務付けられていますし(会435条2項)大会社では公告まで要求されている超重要計算書類です(440条1項)
この点、貸借対照表は一定時点の会社にある財産の一覧表ですが、「損益計算書」は一定期間の収益と費用の明細書です。
つまりこれを見ると会社の1年間の利益(または損失)が一目瞭然でわかるんです( ・ _ ・ ) ジー
こんな感じですV(^-^)
〇平成21年1月1日~平成21年12月31日の株式会社小林自動車の損益計算書(P/L)
本当はもっと項目細かいんですけどね(経常利益とか特別損失とか法人税等調整額とか)
まー「損益計算書」というのはどういう趣旨のものかという事を伝える事がこの記事の目的なのでこの点は省きます(^^ゞ
これを見ると株式会社小林自動車は本業である車の製造、販売で1000万円を売り上げた事がわかります(上記項目A)
100万円の車なら10台販売したくらいの感じですかねA^-^) イイアセカイタ・・
Bの「売上原価」とは車を作るのにかかった部品代とかです。
そしてAからBを引くとその会社の「売上総利益」がでます(300万円 C)
「販売費及び一般管理費」というのは従業員の給料とかです。
これは経費なので売上総利益の500万円からさらに引く項目です。そうするとこの会社の本業の利益である「営業利益」(E)がはじき出されます。
マイナス200万ですね。。要は経費の使いすぎです。
次に「営業外収益」というのは本業以外での儲けです。
この会社は車の製造、販売が本業なのですが、別にそれ以外のビジネスをやってもいいわけです。
例えば会社で上場株を買って運用するとか。
で、株で儲けたような場合は本業の儲けでないので、Aの「売上高」ではなく、「営業外収益」としてP/Lに記載されます(F)
なっなんと小林自動車は1億円も本業外で儲けてるじゃないですか!!!
きっと株かなんかでたまたま買ったところがストップ高れんちゃんの幸運に恵まれてぼろ儲けしたのかもしれません。
その結果この会社の最終の「当期純利益」は本業が赤字にも関わらず9800万円の黒字になりました。
といった事が「損益計算書」を見ればわかるわけです。
ちなみに本業の利益とそれ以外の株の利益とかを分けて書く理由なんですが、投資家としてはこの会社に投資するときに本業の儲けがどれくらいあるのかを知りたいからですφ(□□ヘ)フムフム
確かに小林自動車は今期超黒字です。
しかしそれはたまたま買った株が爆発したという
「運」
によるものです。
本業はマイナスのため、私ならこのたまたまラッキー会社に投資しようとは思いません(成長性のある他の材料があれば別ですが)
ちなみにイタリア料理チェーン店のサイゼリヤは小林自動車とは逆で、本業では儲けがでてるのですが、ディリバティブ取引という投資で今年の2月に巨額の損失を出しました。
そのためトータルの純利益が赤字に転落しています。
その頃のP/Lを見てもらうと分かるんですが、「営業外費用」の項目が前期に比べて異常に膨れ上がっています( ̄□ ̄;)ガーン
従業員の方たちもせっかく自分たちが頑張って稼いだお金を投資になんて回しやがってって事で社長に対して怒りまくってたのではないでしょうか(`m´#)ムッキー
とかそんな事がP/Lから見えてきます。
しかしそれでも本業のイタリア料理はしっかり利益を出してたんですよね。
それが評価されてか2月に暴落した株価も現在は順調に回復してきていますヘ(^∇^ヘ)ヘ(^∇^ヘ) ウヒョヒョ
あっちなみにサイゼリヤのペペロンチーノは安くておいしいのでオススメです。ちょっともの足らない人はダブルサイズもありますです(^^*)
話を戻しますが、このように取引の入るか判断するには利益の内容も重要なので、その種類に応じて細かくわけてP/Lに記載されているわけです。
もしこれがいっしょくたに小林自動車は今期9800万円の利益でした!!なんていう記載しかなかったらどうでしょう。投資家や取引先はすごい性能のいい車を売ってるからこの会社は儲けてるんだなーとか錯覚しちゃいますからね(;´д` )
いかがですか。前回の貸借対照表と損益計算書をあわせて読めばいかにその会社の赤裸々なあるがままの情報がわかるか。
これだけ自分のところの情報をしっかり開示するからこそ、よくも悪くもその会社自身の信用もアップするわけです。
次回はこのようなB/S(貸借対照表)とP/L(損益計算書)がどのように連動しているかを見ていきたいと思います(((o ・`∀・´)ノ