インフルエンザ流行ってますね~ (◎◎;)
大阪では外歩いてるとかなりマスクをつけている方が増えてきたように思います。試験前にかかったらどえらいことなので、早く収束してもらいたいですわ。。
さて、今日は株式や新株予約権をとっかえひっかえする場合の添付書面の考え方がややこしいのでまとめてみました。
取得条項付株式と新株予約権がからむパターンをとりあえず以下の4パターンにわけてみたいと思います。
これらの登記を申請する際の添付書面として「分配可能額が存在することを証する書面」や「資本金の額の計上に関する証明書」等が問題になるんですが、どの登記にこれらの書面が必要になるのか非常にわかりにくいです。
なぜわかりづらいか根本的理由を考えてみたんですが、おそらく新株予約権を株式(会社の社員)的な地位というイメージにひっぱられて理解しているからなんだと思います。
たしかに、新株予約権は行使すれば、株式に変わるので、そのような理解になりがちです。
しかし、ここは新株予約権を財産的価値のあるものとしてお金と同様にイメージした方が添付書面の理解がスムーズになります。
そこで思い切って「新株予約権」を「お金の顔文字」
これ→「♪オカネ(\▽\〃))((〃\▽\)オカネ♪」
に置き替えてみましょ~(・∀・)ノ
1、取得条項付株式の取得と引換えにする株式の交付
まずトップバッターですが、このパターンは株式と株式の交換なので、「♪オカネ(\▽\〃))((〃\▽\)オカネ♪」はからみません。
そのため「分配可能額が存在することを証する書面」や「資本金の額の計上に関する証明書」の書面が添付書面になることはありません。
2、取得条項付株式の取得と引換えにする新株予約権の交付
この新株予約権発行の登記を申請することになります。
かかる場合、自己株式を取得する対価として「♪オカネ(\▽\〃))((〃\▽\)オカネ♪」を払う(つまり会社からお金がでていく)のと同視しえるので、「分配可能額が存在することを証する書面」がいるのは当たり前ということになります。
もし分配可能額がないのにも関わらず、会社から「♪オカネ(\▽\〃))((〃\▽\)オカネ♪」が流出すると債権者を害しますからね。
それに対して、新株予約権を発行しても資本金が↑するわけではないので、「資本金の額の計上に関する証明書」は不要です。
3、取得条項付新株予約権の取得と引換えにする株式の交付
これは会社が株式を交付する代わりに「♪オカネ(\▽\〃))((〃\▽\)オカネ♪」が会社に入ってくるパターンです。
これってなんかよく見るのと同じような。。
そうです。実は書式でしょっちゅう書かされる「募集株式の発行」と同じような構造なんです(募集株式の発行も会社は株式を交付するかわりにお金をゲットできる)
そのため、添付書面も募集株式の発行と同じように考えればいいということになります。
つまり「分配可能額が存在することを証する書面」など不要ですが、「資本金の額の計上に関する証明書」は必要ということになります。
4、取得条項付新株予約権の取得と引換えにする新株予約権の交付
1番問題なのはこのパターンです。
「♪オカネ(\▽\〃))((〃\▽\)オカネ♪」を会社がゲットするかわりに「♪オカネ(\▽\〃))((〃\▽\)オカネ♪」が出て行きますが、この両者の対価的バランスがとれていない場合は会社に損が発生する場合がありえます(会社が取得する新株予約権より、会社が交付する新株予約権の価値が高い場合とか)
そう考えるとこのケースの場合も「分配可能額が存在することを証する書面」が添付書類になるような気がするんですよね。
しかし実際は不要です。
この点、上述のごとく取得条項付株式を取得として新株予約権を発行する場合は分配可能額が存在する事が実体法上の要件とされています(170条5項)
取得条項付新株予約権の取得の場合、これに相当する規定は275条という事になると思いますが、実は当該条文においては、170条と異なり、分配可能額の存在を要求する規定がすっぽり抜け落ちているんですよね。
実体法上、要求されていないものが手続き上の添付書面として要求されるわけもなく、「分配可能額が存在することを証する書面」は添付書面にならないというのが形式上の理由です。
それと実質的な理由として、株式を取得するのは資本取引(自己株の取得により出資の払い戻しを伴う。会社の縮小化)なのに対して、新株予約権を取得して新株予約権を交付するのは株式をからまない単純な損益取引(日常のビジネスに近い取引)です。
そのような根本的な質的差異が両者間にあるので、新株予約権を取得して新株予約権を交付する場合は「分配可能額が存在することを証する書面」は不要ということにしたのかなと思います。
このあたりは程度問題なので、分配可能額の存在を必要としても資本の充実に役立つので、それはそれで立法論としてはありだと思いますが、会社法ではそうはしなかったということですね。
あと資本金が↑しない以上「資本金の額の計上に関する証明書」も不要です。
この他にも添付書面はいろいろありますが、「分配可能額が存在することを証する書面」や「資本金の額の計上に関する証明書」以外で理屈的に難しい書面はないと思うので省略します。
あと「取得条項付」が「取得請求権」や「全部取得条項付」などいろいろ変化する可能性もありますが、上記4パターンにあてはめれば理論は同じなので省きます。
ではではインフルエンザに負けじと、今週も1週間勉強がんがりましょ~!!!