皆さまおつかれさまです(^^*)
今日はちょっと趣向をかえて、自分なりの勉強に対する方法論を述べたいと思います。
1、意識しない事はなんと記憶に定着しないものか
自分の職場は大阪の「天満橋」というところにあります。
まーターミナル駅なんで複数の出口があるんですが、例えば何番出口をあがったところにはどういうお店があって、そこから何個目の信号を曲がってどういけば自分の事務所へいけるか全部説明できます。
なぜなら覚えておかないと初めて事務所に来るお客さんが道に迷ったときに道順を説明できないからです。何番出口からでるかの予測もつかないので、ひととおりの出口からの行き方を覚えるようになりました。
これは何も私に限らず、仕事で対お客さんと話をされる部署の方は経験があると思います。
これに対して自宅。
自宅は「都島」という駅が最寄駅なんですが、自分はいつも4番出口からでます。だからその出口あがったところには交番があって、ミスタードーナツがあってとかすぐ説明できるんですよ。
しかし、他の出口から出たときの風景というのはぱっと出てこない。というより、そもそも3番とか5番はどこの出口のことを指しているのかもわかりません。もう何十年も住んでいるのにですよ。
なぜ覚えられないかというと、自分自身、違う出口から出るという事がほとんどないし、職場と違って、自宅に来る人に道を説明するという事もあまりないです。
だから覚えなければいけないという必要性をあまり感じないんだと思います。
2、募集株式の発行における通知、公告
(1)通知、公告が規定されている条文
ところで、話は変わるんですが、募集株式を発行するときはやたらといろんな場面で通知、公告が出てくるような気がします。
「どんだけ通知してる
の(°▽°;) 」
って思うくらいなんか条文のあちこちにちらばっているというか。
これ何ヶ所あるか実際数えた方いらっしゃいますか?
実は4ヶ所あるんです。
(a) 201条3項、4項(公開会社が第三者割当てをしたときの株主への通知・公告)
(b) 202条4項(株主割当てをしたときの株主への通知
(c) 203条1項(申込みをしようとする人への通知)
(d) 204条3項(割当ての通知)
※203条5項にも募集事項を変更した場合の通知がありますが、これは申込みをしようとする人への通知と同質性があるというか延長上の話なので(c)に含ませることにしました。
どうですか?全部ピックアップすると以外と少ないと思いませんか?って多いかな(〃_ 〃)ゞ
(2)まとめることのメリットその1
まとめるといろんなメリットがあります。
まずはなんとなくいろんな通知があるなーと漠然とイメージしていたものが意識してまとめる事により明確化される点。
書式ではいついつにどういった通知をしたとかが事実関係にあげられています。
こういった問題文を読むときでも、募集株式における通知の全体像を把握していれば、問題文を検討する際のストレスもなくなるし、まーなんとなく適法でしょとさらっと流すこともなくなります。
このさらっと流したところに、実は不適法な事実関係が潜んでいて、却下事由にも関わらず、登記してしまうとそれで一年を棒に振ることだってあります。
(3)まとめることのメリットその2
次にまとめることの2つめのメリット。
同じく通知で漠然としがちなのは、それが公告で代替できるのか、あるいは通知、公告両方必要なのかといった点。
表に戻ってほしいんですが、通知を公告にチェンジできるのは(a)だけです。あとの(b)~(d)は実は公告にチェンジできないんです。
なぜか?
(b)の通知は株主に「うちの新株買いませんか?」という営業の通知です。
これを公告ですますわけにはいきません。
なぜなら新聞で公告してもほとんどの株主は見ないので株主割当てにより募集株式の発行をする意味がありません。
ここはやはり横着せずに、ひとりひとりの株主宛の手紙を作って、通知してあげる必要があるんです。
(c)(d)も趣旨は同じです。
株購入の申込みをしたい人への通知やどれだけの株を分配するかの通知は新聞でお知らせする類のことではないのです。
やはり株式発行に基づく契約をしっかり完遂させるためには、個々の申込者に対して個別に通知してあげる必要があるのです。
これに対して、(a)201条3項の通知。
これは公開会社が既存の株主に対して第三者割当てをしますという通知です。
この通知は個々の株主への絶対通知しないといけないというほどの問題ではありません。
株を買ってくださいという通知ではなく、単に、今回の募集株式が納得できない株主がいる場合に備えて、差止めをさせる機会を与えるための通知だからです。
それともう一点。
201条が想定している公開会社の第三者割当てというのは大企業が利用する可能性があります。
トヨタとかパナソニックとか。
こういった会社は毎日秒単位で株主も変動しているし、その数も膨大なため、個々の株主に通知するというのは手続きも煩雑です。
また費用も無駄です。ここは株主保護より、経済性に重きをおくため公告による代替を認めたのかとお思います。
3、司法書士試験勉強の方法論
だいぶ話がそれましたが、各制度をまとめる事により、普段無意識だった手続き上の違いが見えてくるようになります(通知or公告か等)
そして次になぜそのような違いが生じるのか?という事も考えるようになります。
考えた結果、ひとつひとつの条文に理由がつけれるようになってきます。
そして、理由付けを伴った知識というのはなかなか忘れません。
これを201条だけ単体で読んで、「公開会社の第三者割当てにおける通知は公告でもいける」「公告いける」「公告いける」「公告いける」「公告いける」
と呪文のように唱えても数日後には確実に忘れます。
そしてまた条文を読む。忘れる。読む。忘れるの繰り返しです。
20代のときの私はそういった勉強の仕方でした。確かに考えずにどんどん教科書読む方が多くのページ数を読めます。しかしこれでは考えるということをしていないのでどうしても限界がくるんですよね。
急がば回れじゃないですけど、時間がかかっても考えるという作業を勉強に取り入れる。
そういったことを毎日意識してやれば、実力は上がっていくんじゃないかと最近は考えていいます(^^*)