おつかれさまです~(^▽^)V
前回は株式会社と有限会社での取締役における登記事項のちがいを見ました。
今回のテーマは持分会社。
合名会社、合資会社では「社員の氏名又は名称及び住所」が登記事項です。(会社法912条5号、913条5号)
つまり業務を執行する社員であろうが、業務を執行しない社員であろうが社員になった人は全員登記する必要があります。
これに対して、合同会社では「合同会社の業務を執行する社員の氏名又は名称」(913条6号)つまり業務執行社員が登記事項となっており、業務を執行しない社員は登記する必要はありません。
なんでこんな違いがあるかというと、合同会社では出資全額払込主義かつ社員が有限責任という事が関係しているのではないかと思います。
たとえば、578条では合同会社の場合、設立の登記までに全額の払い込みを要求しています。
これに対して、合名会社、合資会社は設立登記のあとに出資してもいいんですよ。
社員「チョー遅れたけど出資金持ってきたよーよろしくー(シ_ _)シ」
って事が会社設立後もありうるわけです。
もちろん、会社と社員との間で設立登記前に出資しろって決めていれば、私的自治上、設立前に払い込む必要はあります。しかしそれは法の強制するところではないぞと。
また604条なんかでも、合同会社の場合、新たに社員として加入する場合には、定款変更をするだけではダメで実際に出資金の払い込みをして初めて社員になれるわけです。
ようするに合同会社の場合は社員=自分の出資はすでに完了済みなわけです。
また合同会社には有限責任社員しかいないため、債権者としては一切合同会社の社員に対して、責任追及ができない。。
そうすると債権者目線から見て合同会社の社員を登記する必要性ってかなり低いですよね。
債権者「別に会社が倒産しても社員からお金回収できるわけじゃないんでしょ。じゃー別に登記簿に社員の個人情報なんか載っけてくれなくてもいいっすよー ┐( ̄ヘ ̄)┌ 」
って感じなわけです。
もっともそうはいっても業務執行社員や代表社員は登記する必要がある。会社の受任者として責任ある立場ですからね。代表権を行使したり、損害賠償責任を負ったり。
これは株式会社の取締役と考え方は同じですね。
これに対して合名、合資会社の無限責任社員は出資のいかんにかかわらず無限責任を負います。
また合資会社の有限責任社員も出資が終わってない部分に関しては債権者に直接責任を負います。
だから合名会社、合資会社の場合は業務執行社員であるか否かにかかわらず、一律社員の氏名、住所を登記事項にしているんだと思われます ̄ー ̄)ノ