突然なんですが、皆さん記述式の問題とか説いているときにふと次のような疑問を感じたことはないですか?
Aは所有権者だがお金が必要になり、Bから融資を受けるために抵当権を設定した。このとき登記手続きとしては、Aの所有権の登記識別情報を添付して抵当権の設定登記をするわけです。
となるとさらに数ヵ月後、Aが不動産を売って所有権を移転する場合とかどうするの?って話です。
だってBに抵当権を設定するために登記識別情報提供しているからAはもう登記識別情報ないじゃん(・_・?) ハテ?
実は登記識別情報のパスワードというのは使いまわしなんです。何回抵当権設定と抹消の登記を繰り返そうが、その果てに所有権を移転しようが、Aは同じパスワードを提供すればいいんです。
登記識別情報ってどんなの?PART2でも書きましたが、登記識別情報というのは原本を提供するわけではなく、情報であるパスワードだけを法務局に教えればいいので、何回でも再利用が可能というわけです。
「ふーん。便利でいい制度じゃん( ̄ー ̄)」
って思うじゃないですか。
でもこれってすごく怖くないですか?
上記の例でAがBに対して抵当権を設定するときの申請手続きを司法書士さんがやってくれるならまだ安心です。まー悪さする人もいますが、信頼ある有資格者であり、そのような心配はあんまり考える必要はないでしょう。
しか~し、Bがガラの悪い街金のおっちゃんだったりするケースもあるわけです。
B「兄ちゃん、今回の融資で抵当権設定するから書類一式わたしなはれや(メ▼。▼)y-~~~」
A「あ、はい。。 ( > < ;)」
というようなシチュエーションはなんとなく不動産取引ではありがちですよね。
で、AはBに登記識別情報も渡すわけです。
そうすると登記識別情報のパスワードの内容もBが知ることになります。 。
この点、抵当権設定の登記をAが申請した場合、持っていた所有権の登記識別情報パスワードは効力を失い、違うパスワードがAのもとに再交付されるという仕組みでしたらノープロブレムです。
しかし現状そのようなシステムにはなってないわけです。ひとつの所有権という権利であるにも関わらず、複数のパスワードを発行することは法務局の方での管理も複雑になるし、費用もかかるからでしょう。
Aは一度抵当権を設定するなりして登記識別情報を提供したら、パスワードを他人に知られた可能性があるので、ずっと不安にかられながら、毎日を過ごさないといけないわけです。
もちろんその不安がいやなら登記識別情報を失効させればいいわけですが。
ホント情報の扱い方って難しいですよね~(f^^)