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商業登記法


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商業登記法

〇 新株予約権の登記すべき事項

 自分だけかも知れないんですが、新株予約権を行使したときの登記すべき事項をよく間違えます。

 株数や資本金が増加するので、

  • 年月日変更
  • 発行済株式総数 〇〇株
  • 資本金の額 〇〇円

はちゃんと書くんですが、ここで安心してしまい減った新株予約権の数やその新株予約権の目的となる株式の数を書き忘れます。

具体的には

  • 新株予約権の数 〇〇個
  • 新株予約権の目的たる株式の種類及び数又はその算定方法
  • 普通株式 〇〇株

もちゃんと書く必要があります。

〇 種類株式発行会社の公開、非公開の判断

自分がシホガクの模試で崩壊したやつです。

A株式とB株式を発行する種類株式発行会社である。そして、A種類株式には譲渡制限が付されている。しかし、実際に発行されているのはA種類株式のみでB種類株式は発行されていない。

このような会社は公開会社か非公開会社どちらと判断すべきか?

答えは公開会社です!!

実際に発行している株式にすべて譲渡制限が付されているか否かで公開か非公開を判断するのではないということなんですね。B種類株式は発行していないですけど、かかるB株式に譲渡制限が付されてない以上、公開会社と判断する必要があります。

偉そうに書いてますが、自分はこれに気付かなかったわけで、答案もろ崩壊しました( ´△`)アァ-公開非公開の判断ミスは大きいですからね~

〇 さよなら取締役等選解任権付株式

 とある種類の株式で取締役や監査役を選任する株式を発行できますが(会社法108条1項9号)かかる種類の株式が登記されている場合における書式を説く際の注意点を2点アップしたいと思います(松井ハンドブックP240と251を参考にしています)


1点目(株式の譲渡制限規定の廃止との関係)

書式で間違えやすいパターン

  • 1、前提事実
  • 取締役等選解任権付株式が登記されている
  • 2、事実
  • (1)株式の譲渡制限を廃止
  • (2)かかる譲渡制限の廃止だけを登記申請

 これは商業登記法24条9号により却下されます。

 なぜなら取締役等の選任に関する種類株式は公開会社や委員会設置会社は発行することができないからです(会社法108条1項但書き)

 そのため、やるなら譲渡制限廃止の登記と取締役等選解任権付株式の定めの廃止の登記を一緒に申請する必要があります。


2点目(取締役等の員数を欠いた場合との関係)

 法律又は定款で定めた取締役や監査役の員数を欠き、かつ、当該員数に足りる数の取締役や監査役の選任ができないという2要件を満たす場合は取締役等選解任権付株式の定款の定めを廃止したものとみなされるので(会社法112条)当該定めの廃止の登記を申請する必要があります。

 取締役や監査役を取締役等選解任権付株式の種類株主総会で選任できない場合とは、かかる種類株式の発行済株式数が零であったり、すべて自己株式であったりする場合です。

 ここまで難しい問題はまずでないと思いたいですが、例えばある種類の株式を消却したり、会社がなんらかの布石として自己株式を取得した場合は取締役等選解任権付株式の廃止の登記を申請しないといけないのではないか勘繰る必要があります。

選任と解任の比較

ちょっと話が蛇足ですが、ついでに。ほっほっほ♪( ̄▽+ ̄*)

1、選任の場合

(1)原則

→取締役等選解任権付株式における種類株主総会で取締役や監査役を選任

(2)例外

→法律又は定款で定めた取締役や監査役の員数を欠いた場合において、そのために当該員数に足りる数の取締役を選任することができないときは定款の定めが廃止されたものとみなされるので、通常通り株主総会で取締役や監査役を選任(会社法112条)

2、解任の場合

(1)原則

→当該取締役や監査役を選任した種類株主総会で解任(会社法347条)

(2)例外

a、定款に別段の定めがある場合
b、当該取締役の任期満了前に当該種類株主総会において議決権を行使することができる株主が存在しなくなった場合

 においては通常の株主総会で解任します(347条)

 選任と解任でトラブルに対する対応策が違うのでちょこっと注意が必要かもしれませんΣ(・ω・ノ)ノ!

〇 登記事項と関係ない布石事項のひっかけ

 商業登記では、たまに登記すべき事項に影響を及ぼす布石となる決議がなされる場合があります。

 たとえば、自己株式を取得するとか。

 自己株式を取得してもなんら登記事項は生じません。たんに会社での株主の構成がかわるだけで、発行済み株式の総数が増えるわけではないですからね。

 しかし、会社が自己株式を取得すると当該株式は議決権がなくなるので、その後の決議事項で必要な議決権数が変化したりします。

 つまり自己株式の取得が登記と関係ないからといって無視してしまうと、その後の登記すべき事項の判断を間違う可能性があるわけです。

 この布石となる事項なんですが、あくまでその後の登記すべき事項の決議がメインなので、従たる決議である布石決議が必ず有効との思い込みは危険です。

 たとえば以下の事例。自分がひっかかった司法学院の模試ですが(汗)

  • 1、監査役の監査の範囲を会計に限定する旨の決議を株主総会で行った。
  • 2、その次に426条の取締役等による免除に関する定款の定めを置く旨の決議をした。

 このとき、2、の決議が無効ではないかと目がいきがちです(424条の定めは監査役設置会社でないとダメなところ、会計限定監査役ではかかる要件を満たさないから)

 しかし、1、の決議がそもそも無効なら(たとえば公開会社だったので、監査役の権限を限定できないとか)いう場合は2の決議は他の要件もOKなら有効な決議ということになります。

 何がいいたいかといいますと、布石となる事項だからといってそれが、必ず有効な決議と先入観を持ってはいけないということです。

 そのような先入観をもつとどえらいことになる可能性があるので、登記すべき事項かそうじゃないかにかかわらず、各決議がちゃんと要件をみたして有効なものかを判断するようにしなければいけないと思いますですはい
(´Д`) ハゥー